ピギー・スニードを救う話
ジョン・アーヴィング著
小川高義訳
新潮文庫
☆☆☆
ジョン・アーヴィングといえば長編小説の名手で、なんとも独特な作品世界と、なんとも独特な著者自身のキャラクターが印象的である。
ディケンズを題材にしたエッセイ「小説の王様」ではアーヴィングの小説観が垣間見れて面白い。
やはり彼は、「ストーリーは面白くなければいかん!」「ストーリーの『作ったような整合性』のどこが悪い!」と思っているのだ!
また、短編小説の方は、彼の作品世界が奔馬のよう疾走する直前に手綱を引いた(もしくは何らかの理由で疾走に至らなかった)作品たちで、その意味では食い足りないところもないではないが、これまたアーヴィングの作品世界が垣間見える。
訳者が本書をもって「アーヴィングのショーケース」と評したのもさもありなん。
そして著者自身は本書の中では、「ペンショングリルパルツァー」(題名からしてアーヴィング的!)と「インテリア空間」がお気に入りということであるが、僕も同感。
この2作はまさに「アーヴィングの世界」。
ジョン・アーヴィングの長編たちを理解するには、こうした1冊も不可欠でしょう。■
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