2007年09月21日

プチ紀行 Tokio 〜有楽町 中本〜

バブルの頃、東京で働いていたが、銀座や有楽町が好きだった。

「夜の部」ではなく「昼の部」である。

街のたたずまいが落ち着いていて、垢抜けていて。

例えば新橋のチープさや新宿の猥雑さ、六本木のきらびやかさ・・・。

東京の街にはそれぞれの顔があるが、僕は銀座のシックさが結構好きだった。

まぁ、当時の安月給ではおカネを使うのは渋谷で、銀座/有楽町はウロつくだけだったけれども。



そんな銀座/有楽町にも、いくつもの飲食店いくつものラーメン屋があるワケだが、当時も今も僕のお気に入りは中本である。

「シックな銀座」とはまるで似つかわしくない店なのだが、バブルを経て今に至っても相変わらず営業している。

場所はJR有楽町駅を日比谷側に出た目の前。

交差点の向こうにある「有楽町ビル」の地下である。

昔からそこはサラリーマン相手の飲食店が入居する地下街であったが、やはり時代の流れとともに店の顔ぶれも変ってきている。
{.JPG

その中で相も変らずチープな看板を置いて、いまだに食券制で、中本はやっている。

テーブルとカウンターで25人も入れば一杯になるような店になんと5人も従業員がいる。

フロア2人、厨房に3人。全員オジジとオババ。

どう見ても2人は手持ち無沙汰である。

営業時間も夕方には閉めてしまう。

要するに昼飯時のみの勝負。

果たしてこれで彼等の給料がまかなえるのだろうか?

そんなコトを考えていると「大盛りラーメン生玉子入り」が出てきた。

{[.JPG

太い麺。分厚いがパサパサのチャーシュー。ネギはあまり入ってなくて代わりに三ツ葉が入っている。まったり甘口の醤油味スープと、それよりももっと甘く味の濃いメンマ。

びっくりするほどうまいワケではない。しかし、他のどの店にもない食材の独特の組み合わせ(味付け、素材の妙なアンバランス感)が、時として懐かしくなる。

出張で東京に来ると何回かに1度、ここを訪れるのだ。

 

たぶん同じようなファンがついているのだろう。

店主や従業員が年老いて(たぶん顔ぶれは変ってない)営業時間も短くなり、店の様子に経営改善努力のカケラも見出せないのだが、潰れず客がついている。

{X.JPG

いつまで続くかわからないが、従業員のヨレ具合からみてそう長くないかもしれない。

「絶滅危惧店」として大事にしたい店である。

 

食べ終わって店を出ようとして、食券販売機の陰をのぞいたら、白髪のオババが腰掛けていて雑誌だか帳簿だかをめくっているのに気付いてギョッとした。

「エエ!6人目の店員かよ?なにやってんだこのバアさん」

ほとんど都市伝説になりそうな店である。

posted by 羽後 燦樹 at 06:46| Comment(0) | TrackBack(1) | 紀行文など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/55645929
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

有楽町 ラーメン 中本
Excerpt: 有楽町イトシアのオープンなど、駅前再開発で賑わいを見せている有楽町だが、前回の『谷ラーメン』のように、いまだ昭和の雰囲気を色濃く残す場所が残っているそして、今回...
Weblog: 美食道
Tracked: 2007-10-26 18:01