2007年09月28日

サッカー書評アーカイブス〜ベンゲル・ノート〜

issue60

ベンゲル・ノート

中西哲生/戸塚啓 著

 
幻冬舎

☆☆☆☆☆
 

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 アーセン・ベンゲルは無限の引出しをもった監督である。

以前そんな文章を読んだおぼえがあるのですが、それはウソです。

本書を読めばわかります。

 
本書の中心は、元名古屋グランパスエイトの中西哲生が記した名古屋時代のベンゲルによる練習メニュー。

それらは、現在もアーセナルで実践されている。

そしてそれらは繰り返し実践されているもので、次から次へと無限にメニューが出てくるわけではない。
 

ようするにベンゲルとて持ちネタには限りがあって、それを状況に応じ、必要に応じてバリエーションを持たせて繰り出しているということ。

世界最高峰であろうと、Jリーグ級であろうと(そしておそらくそれ以下であろうと)、彼の教えるサッカーに大きな違いはない。

 
ま、当たり前ですな。考えてみれば。

でも、その当たり前のコトが確認できたということ、しかもその具体例が豊富に示されているということ、それが本書の価値である。

 
本書は<考えねばならぬ本>である。

ベンゲルの練習メニューは、あなたが実践してきた(している)、指導してきた(している)メニューとどこが違うか?
違いの意味は?新たに加えるメニューがあるとすればどれか?加えたことで何が得られるか? もしくは、ベンゲルのメニューになんら目新しいものがなかったとして。

では、あなたのチームとベンゲルのチームの差とはどこにあるのか?
単に選手という素材の差なのか?それとも同じようなメニューを実践していく中に何かしら差を生じさせるモノが存在するのか?

本書にその答えは(少なくとも明確な形では)書かれていない。

自ら、考えねばならぬ。
 容易に答えの見当たらないことについて自ら考える。

この極めてサッカー的な営為を本書は強いてくる。

考えることをせずして読んでいると眠くなっちゃうと思うよ。
 

考えてないと眠くなる。まさに本書はサッカー観戦そのものじゃないっすか?

実践家もそうでないヒトも、必死に考えながら読んでみよう。

サッカーのコアな部分の一端が、必ず見えてくるはずです。
 

(羽後燦樹 2002.5.31
 

「サッカー書評」は200110月より20074月まで公開していたwebサイトで、サッカー関連の書評103本を公開していました。 

本ブログでは、issue104以降で新規の書評を公開していきます。
 

それ以前の分、issue1103については「サッカー書評アーカイブス」として、順次再公開していきます。
 
posted by 羽後 燦樹 at 21:33| Comment(0) | TrackBack(1) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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